金沢の雛飾り

雛の系譜は「形代」からはじまり、江戸時代の「享保雛」は豪華で艶やかな瓜実顔の上品な面持ちです。

後の「次郎左衛門雛」は、スタイルは古式の衣服ですが丸顔に引目鉤鼻の愛らしい優雅なお顔が特徴で江戸ではこちらが雛の本流と、もてはやされました。

公家社会で飾られた「有職雛」は装束が有職の作法に従って忠実に再現されたもの。
又、現代の雛人形にもっとも近い人形姿は、こののちの江戸後半につくられた「古今雛」、それまでの雛の良いところを取り入れた静かな美しさにあふれています。

緑草音の雛飾りはふっくらとした穏やかなお姿の内裏雛。
お顔は京の名匠・二代目川瀬猪山氏、衣装着付は、初代片岡光春氏によるものです。
「次郎左衛門雛」と「有職雛」のハーフの様な現代雛です。
金沢では四月三日まで雛飾りをする習わしなので、私共も三月いっぱい、この雛人形と共に皆様のお越しをお待ち申し上げております。
三月の御料理はこの節句に合わせ、少し祭の要素を取り入れ組立てております、お楽しみくださいませ。

“四つ屋根の赤”獲得・ミシュランガイド北陸2021特別版